中山広場の周りには旧朝鮮銀行、ヤマトホテルなど7棟の日本人建築家による建物が残されている。
戦前の日本人住宅が一部まだ解体されないで使用されています。近年大規模なマンション群が開発されるまでは、ガスなどの設備が整っているため市民にとっての高級優良住宅でした。
昔なつかしい市電の風景
このマンションを案内して下さったのはカー・レンタルで成功しつつある方で、分譲マンションを2戸買い、一つは自宅、もう一方は投資として購入し当分は賃貸にまわす予定です。家具付き賃貸用としてすでにインテリアはすべてセットされていました。床は大理石、照明もリビングやダイニングセットも、豪華なヨーロピアン・テイストです。
次に視察したのは大連市の都心型高級マンション開発です。ここは松下電工が分譲住戸の一部を内装施工で引き受けていました。1階のフォワイエやラウンジ部分は広く豪華で、高級ホテル並みの内装仕様にしてあります。
これまで中国のマンション分譲はスケルトンで売られてきました。自分の居住用であれ、投資として購入しとりあえず賃貸にまわすものでも、購入者は市内の家具城(インテリア・マート)でインテリア資材を調達して内装工事を仕上げます。その意味ではインテリアは千差万別の個性的な仕様となっておかしくないのですが、実際は中国人にとってのゴージャス・イメージの最大公約数ヨーロピアン(アメリカン)クラシックでまとまっています。
ところで今、中国当局はスケルトン売りに代わって一次内装(床壁工事、キッチン、バスルーム、エアコン工事済み)を推し進めています。個々の住戸が勝手に工事をしているといつまでも工事が続いて周囲に迷惑をかけたり、廃棄物処理に問題が生じたり、健康障害を起こす内装材が使われていたりするからで、今後内装付きでないと分譲できない可能性も出てきました。その時に床、壁のテイストが多少ナチュラル志向にならないと、(地味めな)日本家具には不利な状況が続きそうです。
<このマンションは新方式の内装済み分譲なのですが、インテリアデザインは一言で言えば「アメリカン・クラシック」。ジョージ・ブッシュの後援者達が好みそうなテイストで、中国でも結構ハリウッド映画や大河ドラマ「ダラス」などが観られているのでしょうか。しかし中国の施工業者が受け持った住戸では、高すぎるキッチン・テーブル、高くてまたぎにくい浴槽のへりなど、エッと思う造りが随所に見受けられました。それでも売れているのは、購入者が投資用にと3戸も4戸も買っていくおかげで、正真正銘のバブル状態と言えます。
見本市が開かれた大連EXPOプラザの地階にある家具城です。ここは広州から入ってきた家具がメインでした。
<市の中心部ににある 「大世界」家具城。入口入ってすぐ正面にはコーラー他世界の衛生機器が陳列され、上階に家具のショールームが並んでいます。これまではマンションはスケルトン分譲だったので、一般客対象に設備系のインテリア・マートが充実しています。ここの家具は大多数がゴージャス・クラシック系。
「大世界」の3階に野田産業のショールームがありました。ゴージャス系を嫌うニッチな数パースセントの顧客層を狙う戦略をとっているそうです。野田社長によれば、「ひと頃シンプル・モダンでいっていたが、代理店の要望もあり今は日本的なイメージを前面に出している。 1995年に稼働開始した大連工場の生産高の半分も、今や中国国内と諸外国に売っている」そうです。そこでホットで有望に見える中国市場の印象を野田社長にうかがうと「市場は拡大しているが、それ以上のスピードで供給側が増えています。これからは益々厳しくなるでしょう」と冷静な分析をされていました。
「今回、準備にもあまり日数をかけない中でこれだけの視察ができたのは、ひとえにJETRO大連オフィスのおかげです。 大連JETROとしてのメイン産業分野は港湾とエネルギーのはずで、住宅開発・家具についてはほとんどご存知なかったのですが、1週間ほど前に浜野輸出促進部長を通じて問合せをしておいたところ、分譲マンション視察などをセットしていただけました。いわゆる西欧先進諸国でない国を訪問するときは、広く情報を得るために各国JETROオフィスを利用させていただいています。もちろんビジネスを進めるためには、それぞれの業界内部情報を十分に把握しておくことが必要でそこまでは到底できないのですが、とりあえずの手がかりを得るにはとても有効です。
写真は高橋所長を始めとするJETRO大連の方々と、本部の浜野輸出促進部長、安藤展示部課長の皆さん
ジェトロ岐阜の西本敬一所長の祖父は戦前満州で活躍した建築家大塚剛三だった。祖父の作品の一つ、戦前の「三越大連支店」を初めて訪れた西本氏。
(船曳 鴻紅)