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2010年05月 アーカイブ

2010年05月20日

2010年のサローネ・レポート

【サローネ見本市会場】

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今年で3回目のsozo_commサローネ出展です。昨年のサローネはリーマンショックによる世界不況の影響が、来場者数がサローネ始まって以来と言って良いほどの減少を見たことや、ポルトナウフラウ・グループが出展をやめたことなどに現れていました。しかし今年は意外なほど人並みが戻っていて、3日目からアイスランド火山の噴火によって航空便の欠航が相次いだにもかかわらず、来場者数は一昨年並みとなりました。 そこで世界各国の景気を実感したのは、景気が回復基調のアメリカから久しぶりにバイヤーが戻ってきていたり、また中国からはバイヤーだけでなく中国人プレスの姿が多く見かけられたりしたことです。

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(サローネ内のプレスルーム、中国系プレスが目立っている)シンガポールなどの華僑系ではなく、確実に中国本土のプレゼンスが増していると思いました。

 

【キッチン、バスルーム】

今年のサローネと併催されたのはユーロ・キッチン(隔年)ですが、その奥で開催されたFTK(Technology For the Kitchen)がキッチンの未来を提案。ワールプールからミーレまで欧米のキッチン家電がブースを競い合い、家電メーカーがインテリアをリードする時代が来たことを明快に語っていました。 

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ワールプールの明るい未来的なブース展示。ガーゲナウは対照的に、製品を分解して見せるハードな展示。

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サローネ・バーニョ(浴室)にはTOTOも初登場し、欧州にもウオッシュレット流行の兆しが見え始めています。

 

【sozo_comm】

日本家具産業振興会のブース(sozo_comm)は、3年連続出展した結果を大きく出すことができました。ブースは来客の波が途切れることなく、6日間で3万数千人のビジターを迎え入れたほどで、用意していたパンフレットも紙袋も、最終日にはすべてなくなったほどの盛況でした。

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左上からカリモク、ヤマカワラタン、マルニ木工、協力出展の杉原和紙とイグサモノ。 %E5%87%BA%E5%B1%95%E8%80%85%E3%81%A8.jpg

出展メーカーの皆さんと最終日に記念撮影。ご苦労様でした。

 

【サテリテ】

サテリテ(新人デザイナー達が発表するホール)で今年話題となったのが、COSMITが新設したデザイン・アワードで、その第一回金賞に選ばれたのは、センプレの田村昌紀社長の長女、田村奈穂氏でした。葉をモチーフにしたシリコン製の皿ももちろんですが、テグスを蜘蛛の巣状に編んでいくパフォーマンスが大変魅力的だったと思います。

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加藤IDAFIJI会長、加藤カリモク専務と田村ナオさん

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このところ出品者のメーカーに取り入ろうという意図が見え透いて小粒になってしまったと言われるサテリテですが、各国のデザイン系教育機関に呼びかけて構成されたコーナーには野心的な作品が並んでいたりします。その中で最も注目を集めていたと思われるのは神戸芸工大のブース。特にカメラでとらえた映像を瞬時に画像処理する、ジェスチャーインターフェースを用いたデジタルカメラは来場者の心をとらえていました。

 

【フオーリ・サローネ】

街中でもこれまでロシアやUAEを大口顧客としてきたイタリアン・コンテポラリーのメーカーは沈んでいました。ドバイ・バブル崩壊直後の昨年は既に開発済みの新製品を数多く並べていたのですが、今年は全体的にメディアにアピールするスター・アイテムを絞り込んでいる感じがしました。ミラノ市内のフオーリ・サローネ(見本市とは別に個別に開催されるデザイン展の総称)でも、勢いのある展示を行っていたのはイギリスのエスタブリッシュド&サンズや日本家電勢のキャノン、SONYだったり、セレクトショップのロッサーナ・オルランディといったところでした。

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このところ見逃せなくなってきているエスタブリッシュド&サンズ。2004年に旗揚げされたばかりの英国デザインチームのブランドです。

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 ロッサーナ・オルランディのショップとその経営者Nicoletta Brugnoni女史。

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カリモクはミラノ市内で個展を同時開催し、魅力的な新旧2つの顔を見せた。左の写真はモスコーヴァ通り近くの展示会場と加藤洋専務。

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サテリテで世界に初お目見えしたのが2003年。今では日本の最先端に位置するデザイナーとなった佐藤オオキ氏の個展を、ファビオ・ノヴェンブレ氏が雑誌のために取材するところにたまたま居合わせました。

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ドリアデの今年の目玉商品はファビオ・ノヴェンブレ・デザインのNEMO。脊面が完全に顔そのものになっていて、数多のデザイン製品の中でもその個性が際立っています。

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ノヴェンブレと並んで時代の寵児となっているオラ・イトーも、VIAがフィーチャーする形でトルトーナ地区で発表されました。

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今やデザイン・オリンピックの様相も生まれてきたフオーリ・サローネですが、各国デザイン展の中でも今年のピカ一はポーランドと言ってよいでしょう。オスカー・ジエタ等の新星が育ってきていて、負のヒエラルキーを崩すのはマージナルな辺境から、というセオリーが成立する感がします。

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ポルトナウフラウ・グループは最早デザインの先端を切るメーカーではなくなったようです。カッペリーニの今年の売りがディズニー・キャラクターでは、もうブランド価値はないにも等しいと思われます。

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日本勢のイベントでは今年の軍配はキャノンにあがったようでした。ディレクションは桐山登士樹さん、グラフィックは昨年と同じく粟津美早さん。キャノンのプロジェクターのクオリティを正確なプロジェクションで表現したインスタレーションは、単にイベントの盛り上げに終わらせることなくキヤノン製品の確かなプロモーションとなっていました。

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スワロフスキはシャンデリア部門がトルトーナ地区で、クリスタル部門がトリエンナーレで展示会を行いました。トルトーナの方の逸品は、グエナエル・ニコラ氏デザインのSPARKSという一連のLEDとクリスタルガラスがラインとなった照明で、コンピューター操作で雷光のように走る美しいものでした。 

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街中での今年の最大の呼び物は、DUOMO広場に面する百貨店リナシェンテのアーケードのショーケースでした。世界的な建築家、デザイナーのコンセプチュアルなインスタレーションがずらりと並び、オープニング・ナイトにはシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスも加わって大変な雑踏でした。

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日本からは隈研吾氏が参加されていてワン・ショット。

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 トルトーナではDesign Partners(トルトーナ地区のディレクションを行っている)リボッティ氏を訪ねたところ、SAFI のコシェ社長他役員の面々と、ここでも出会いました。

(船曳 鴻紅)