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2010年02月 アーカイブ

2010年02月07日

バスチーユ地区 デザインの拠点

家具職人の街

フランスという国はご存知のように政府の民間経済への関わりが大変強い国です。ITサービス産業に象徴されるニューエコノミーへの転換が進む中でも、いまだに各種労働組合、産業協同組合の力は温存されています。たとえばVIA(フランス創作家具振興会)は家具の総売り上げの0.2%を若手のデザイナーの育成支援に使うことを政府から保証され、年間3ミリオンユーロほどの予算があると聞きました。そのVIAギャラリーを久しぶりに訪ねてみたのは、昨年9月パリに来たときに知人のインテリアデザイナー、シルバン・デュビッソン氏の個展を見逃してしまったのが残念だったからです。

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今回の展示は、キッチンとエコロジーを交差させたコンセプト展でした。北ヨーロッパに比べ、ストレートにエコロジーをデザインの前面に出すことが少なかったフランスですが、徐々に若いデザイナーの間に浸透し始めている感がします。

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ところでこのVIAのギャラリーは、バスチーユ駅の近くドメニル大通りAvenue Daumesnilに沿って延びるViaduc des Arts(芸術の高架橋)にあります。国鉄が通っていた架線路を上は緑が濃い屋上庭園の散歩道、下をアートや工芸に関わるギャラリーやアンティークショップ、カフェなどにテナントを限定している小粋な一画です。5月6月にパリに行かれたら、ぜひ訪れてみてください。

この架線下の再開発をパリ市が工芸の店舗街にしたのには理由があります。同じバスチーユから東に延びるRue du Faubourg Saint Antoineの界隈は、何世紀も前から家具などの工芸職人が職住する街なのです。

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大通りから一歩中に迷い込むと、パリとは思えない中世的な雰囲気が漂います。世界遺産となっているリヨンでも、こんな職人の現場がのぞき込めるところはそうはありません。旧い木製いすの修理をすると同時に、新しいセンスの張り地をほどこして(upholstery)みごとに再生することがフランスでは日常生活の中にまだ残っているのです。


Le Lieu du Design Paris Ile de France

パリは今グラン・パリとしての計画が進行しています。このパリ周辺を含むイル・ド・フランス地域圏議会議長で社会党のジャン=ポール・ユション氏が、地域圏開発局の新年会で挨拶しましたが、その内容はフランスが製造業で新たな出発をとげるためには大きな標語の一つとしてエコロジーがあり、それをいかに地域活性とつなげていくかという話でした。彼が代表となっている新しいパリのデザイン活動の拠点、昨年秋に設立されたばかりのLe Lieu du Design(デザインの場所)もやはりこのバスチーユ地区Rue du Faubourg Saint Antoineにありました。

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ここは、或る世界のトップブランド・メーカーの工房のアセットです。右側にまだ工房が残っていて、左側がLe Lieu du Designが借りた建物です。まだ一部改修中ですがEco-Creation, Materioといったイノヴェイティブなヴェンチャー・オフィスもテナントに入れて、活動が開始されていました。

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しかし日本だけでなくフランスでも、企業のデザインに対するイメージは、ラグジュアリーや美、お金がかかることといったところで、企業側がもっている社会的機能もデザインだという認識までは行っていないということでした。基本的な活動は各業種間の交流を図ること、デザイン賞の推進や、企業へのデザイナー紹介などのようです。今後は広報、マーケティングはもちろんのこと、音のデザイン、スペースも含めてあらゆるデザインのリクエストに応えていく意気込みですが、さすがに家具についてはVIAにお委せしていくとのことでした。ファッションもInstitut Francais de la modeがあるそうです。

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右側がGeneral ManagerのLaurent Dutheil氏、左側は運営主任のStéphane Simon氏

(船曳 鴻紅)