メゾン&オブジェこれからは?
ざっと今回のメゾン&オブジェをレビューしますと、2000年から続いてきた総合インテリア見本市へのイメージ拡大路線が少し後退し、より実商に根付いた実績重視の態勢になりつつあるのかなと感じました。その象徴が、パリ国際家具見本市を吸収して毎年ケルン家具見本市と1週間を隔たず開催してきたムーブル・パリを今年から9月開催に変更したことです。家具メーカーにすれば、北ヨーロッパ中心のケルンimmに1月出展し、世界最大のミラノ・サローネに4月出展するとすれば、その間になるパリ見本市は中途半端な存在になります。フランス国内見本市であったときはそれでも良かったのですが、国際見本市という位置づけでは世界のメーカーのスケジュールを無視することはできません。

ホームリビング誌を発行する(株)アイクの長島貴好社長が、SAFI代表のエティエンヌ・コシェ氏へのインタビューを行うのに同席できました。長島社長は当初コシェ氏がメゾン&オブジェの改革を図った頃に比べ、今は先進性が衰えてきたのではないかと突っ込んだ質問をしたのですが、コシェ氏は見本市である以上出展者の実商とのバランスをとらなければならず、そのためには今の面積でイメージ創出と実商の双方をかなえるのは難しい、現在建設中の新しいホールが稼働するのを見てほしいと答えました。しかし「感性」を重視するスタンスに変わりはないと強調していました。

新しいホールはホール6とホール7の間にChaix et Morelの設計で今年9月には建設され、新しいホール7となるそうです(現在の総ホール面積16.8万平米 → 20.4万平米)。その3.6万平米の広さの中にエディトゥール、インテリア・シーン、プロジェが展開し、現在のホール7(1.5万平米)はホール8となって、now!などイメージ創出型のセッションに9月はアウトドアが加わります。家具はムーブル・パリが戻ってきます。

最後にコシェ氏が日本に一層期待すると付け加えたのは、日本の家電や自動車などのグローバル企業に登場してもらえないかということ。フランスを中心として日本に抱くイメージは、伝統日本もあるがまずはその技術力。何らかの形で日本の誇るテクノロジーをメゾン&オブジェでもあらためて披露してほしいということでした。ホール7に入るとまず目につくのはLG電子の大きなブース。昨今のサムスンの世界攻勢に比べ、日本のソニーにしてもパナソニックにしても広報力は一段と見劣りしています。結果として世界でのブランド・ランキングも下降するばかり。自己満足的な海外イベントには賛成しませんが、ここぞというところに費用対効果の高い投資を行うことは必要だと思えます。

左から高田氏、コシェ氏、長島氏、加藤代表、杉本事務局長
(船曳 鴻紅)