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2010年01月 アーカイブ

2010年01月28日

2010年メゾン&オブジェ出展

sozo_commホール6に昨年に続き出展

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上のマップはメゾン&オブジェ国際室内装飾見本市が開催されるParis Nord Villepinte Parc des expositions(ヴィルパイント見本市会場)のものです。フランスの見本市会場にはこのように放射線状にホールが並ぶところが結構あります。各ホールはそれぞれのジャンル(ホール1:エスニック、ホール2:テキスタイル、ホール3:テーブルウエア・・・・)で仕分けられているので、そのジャンルだけに興味のある来場者にとっては希望のホールに直行できるメリットがあります。隣のホールに行くためには中央に一回戻らなければなりませんが、中央部に近い出展者は多くの通りすがり客を集めることができます。一方、ホール奥の方の出展者が新規顧客を増やしたいためできるだけ前に移りたい場合は、見本市側に認められる商品力をもつ努力とアピール力が必要とされます。

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昨年のsozo_commはホールの少し内側に入った場所が見本市運営会社SAFIからあてられたのですが、今年はホール6に入ってすぐ、入り口大階段の足下に出展場所をとることができました。見本市で成功する第一要因はロケーションであり、だからこそ見本市側は容易に最初から良い場所をとってはくれません。出展者のパフォーマンスを見据えた上で、次回の出展場所の見直しを行うのです。今年このようなベストと言っても良い位置をとることができたのは、昨年のsozo_commをいかにSAFIが高く評価してくれたかを表していると言ってよいと思います。

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ホール6は、今もなお最もメゾン&オブジェの伝統を伝えるホールです。ホール5などのメインは大手メゾンが毎年のイベントとして出展するのに対して、ホール6は基本的に中小のメーカーが年に何回かの新商品をここで発表し、その新規性と価格合理性を目当てに集まるバイヤーやエージェントを相手にするのです。当然人出も他のホールより数倍は多く、そのほとんどの人が通って行くsozo_commの場所は人の目をひく点では絶好のロケーションでした。

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経産省日用品室が催したオープニング・レセプションでは、SAFIのコシェ代表、製造産業局の後藤局次長、日本公使、JETROパリ所長が挨拶され、加藤IDAFIJ代表が政府をあげて応援していただくことへの感謝の辞を述べました。

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ブース内は人出に波があります。昼前に一度波が来て、午後一はランチタイムのためか少なくなってまた3時頃から混み合います。sozo_commに過去に参加された出展者は、経験を生かしてメゾン&オブジェ向けの商品構成をされていて(ex.陶磁器のミヤマプランニングは花瓶などのインテリアを加えていた)また初参加者も欧州市場を研究した上で出展に臨んでおり、結果はこれからですが大いなる成果が期待できそうです。

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今年で参加3年目のチクノライフはチクノキューブという竹炭を使った消臭剤のメーカーですが、地味な商材であるにもかかわらず昨年は女性ファッション誌「グラムール(Glamour)」のCoups de Coeur賞を受賞しました。竹炭石けんの泡立て実演をするなどセールス・トークにも年々磨きがかかり、今年はかなり大きい取引を何件か成約させていました。出展者のビジターに対する応対を拝見していると、「契約を取る」というビジネス上の成功は単に商材の質や価格といった魅力だけでなく、いかに売り込むかという気迫も結果を大いに左右しているように思われます。

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全員集合
今年sozo_commに参加された方々です。
メゾン&オブジェの会場のそこかしこから、sozo_commブースが昨年にも増して充実した内容だとの声が届いてきました。よく見本市には連続して出展しなければ意味ないし効果が見えるのは3年目からと聞きますが、それはバイヤーへの認知度をあげるといったことだけでなく、メーカー側が見本市の特性やバイヤーのニーズをとらえて商品開発し持ち込むには最低1年はかかるためだと思います。

(船曳鴻紅)

2010年01月30日

sozo_commの他にも日本から出展

メゾン&オブジェでの日本の活躍

sozo_comm以外にも多くの日本企業がメゾン&オブジェには出展されています。その最大グループは2005年からJAPANブースとして出展コマを確保しているJETROです。全29社がJETROを通して出展していましたが、中でも有望に思えるのが次の2社です。

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マスキングテープにパターンをのせたのは、産業用の分野でトップを行くカモ井加工紙です。数年前に外部の女性デザイナー達が関心を持ちアイディアを寄せたのが始まりで、欧州では2年前のJETRO輸出促進部のブース(桐山登士樹氏プロデュース)でお披露目されて話題を呼びました。今回は写真左のJETRO輸出促進エージェントの草野信明氏がサポートし、ホール6にブース出展をはたして世界市場でブレークの兆しです。

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同じく草野氏のお薦めの豊岡のカバンメーカー、アートフィアーです。これまでは国内大手鞄メーカーのOEMを手がけてきましたが、今後は社長の実兄である由利佳一郎氏がデザインするオリジナルブランドを推し進める予定です。昨年は独ハノーバーでiF賞を受賞し、賞審査委員長のフリッツ・フレンクラー氏(ミュンヘン工科大学教授)からも絶賛された模様。三次元CGを駆使したデザインとそれを製品化できる豊岡の技術、地場産業のこれからを指し示す好例と言えます。

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JETROブース以外にも単独出展する有力企業が数多くあります。ホール6ではフランス文具市場でもはや定番となっているマークス・インターナショナル、世界のuchinoと今や呼ばれるようになったタオルメーカーの内野もホール2でイタリアのメーカー達と競っていました。上の写真はsozo_commにも参加している島村卓実さんのクルツがディレクションする津軽塗りas it is、桐生染色布kirmon、富士市の紙製品cuioraの共同出展ブースです。なかなか入ることのできないホール7のnow!に定位置をとっています。

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ホール1には飛騨のREMIX JAPANがプラネット・ムーブルも入れれば連続5年の出展です。写真は日進木工の北村斉社長とsozo_commの経産省日用品室担当官の梅津さんと鎌田さん。これまでの担当官はぎりぎりの日程しかとれなく十分な視察ができなかったのですが、お二人は時間があればsozo_commのことを夢中で話し合われているそうで、上司に掛け合って日数を延ばしたそうです。昨年の内閣府の事業仕分けで私は「神は細部に宿る」と現場を把握することがどれほど大事か強調しましたが、若い官僚の方ほど現場経験を積極的に積んでいただきたいと思っていましたのでうれしかったです。

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今年のエディトゥール(テキスタイルのホール)は昨年の半分以下の面積になっていました。2010年1月展は初日が暴風雨で、テントのパビリオンは大打撃を受けて出展者は実質1日半営業ができないことに。天災だけに見本市側も大幅な補償を行うことは原則としてできなく交渉が決裂した結果、市内に店舗を持つエディター(自ら工場を持たないカーテン・メーカーのこと)が今年は参加しなかったためです。

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その昨年に初参加し大きな成功をおさめていたNEED'Kは、今年も大手メーカーに負けないロケーションを配分されゆるぎないポジションを占めつつありました。社長の南村佳男氏はSAFIのNo2のフランク・ミヨ氏に次のように言っていました。「今年もある意味ラッキーでした。フランスなどの一級のインテリアデザイナー達が、これまでだったら大手エディターのブースに入ってその他のところはあまり回らなかったのが、今年は私どものところにも多数入っていただけました。新規の出展者である私たちが認知されるのに良い機会だったと思っています」と。漁夫の利、というのでしょうか。

(船曳 鴻紅)

エティエンヌ・コシェ氏インタビュー

メゾン&オブジェこれからは?

ざっと今回のメゾン&オブジェをレビューしますと、2000年から続いてきた総合インテリア見本市へのイメージ拡大路線が少し後退し、より実商に根付いた実績重視の態勢になりつつあるのかなと感じました。その象徴が、パリ国際家具見本市を吸収して毎年ケルン家具見本市と1週間を隔たず開催してきたムーブル・パリを今年から9月開催に変更したことです。家具メーカーにすれば、北ヨーロッパ中心のケルンimmに1月出展し、世界最大のミラノ・サローネに4月出展するとすれば、その間になるパリ見本市は中途半端な存在になります。フランス国内見本市であったときはそれでも良かったのですが、国際見本市という位置づけでは世界のメーカーのスケジュールを無視することはできません。

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ホームリビング誌を発行する(株)アイクの長島貴好社長が、SAFI代表のエティエンヌ・コシェ氏へのインタビューを行うのに同席できました。長島社長は当初コシェ氏がメゾン&オブジェの改革を図った頃に比べ、今は先進性が衰えてきたのではないかと突っ込んだ質問をしたのですが、コシェ氏は見本市である以上出展者の実商とのバランスをとらなければならず、そのためには今の面積でイメージ創出と実商の双方をかなえるのは難しい、現在建設中の新しいホールが稼働するのを見てほしいと答えました。しかし「感性」を重視するスタンスに変わりはないと強調していました。

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新しいホールはホール6とホール7の間にChaix et Morelの設計で今年9月には建設され、新しいホール7となるそうです(現在の総ホール面積16.8万平米 → 20.4万平米)。その3.6万平米の広さの中にエディトゥール、インテリア・シーン、プロジェが展開し、現在のホール7(1.5万平米)はホール8となって、now!などイメージ創出型のセッションに9月はアウトドアが加わります。家具はムーブル・パリが戻ってきます。

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最後にコシェ氏が日本に一層期待すると付け加えたのは、日本の家電や自動車などのグローバル企業に登場してもらえないかということ。フランスを中心として日本に抱くイメージは、伝統日本もあるがまずはその技術力。何らかの形で日本の誇るテクノロジーをメゾン&オブジェでもあらためて披露してほしいということでした。ホール7に入るとまず目につくのはLG電子の大きなブース。昨今のサムスンの世界攻勢に比べ、日本のソニーにしてもパナソニックにしても広報力は一段と見劣りしています。結果として世界でのブランド・ランキングも下降するばかり。自己満足的な海外イベントには賛成しませんが、ここぞというところに費用対効果の高い投資を行うことは必要だと思えます。

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左から高田氏、コシェ氏、長島氏、加藤代表、杉本事務局長

(船曳 鴻紅)

2010年01月31日

冬のパリ市内 DECO OFF

例年メゾン&オブジェの華とされてきたのが、大手インリア・ファブリック・メーカーが集まる「エディトゥール」のホールです。エディトゥールというのは、生地を編集するエディターという意味で、通常カーテン地などをメーカーとして世界市場に出しているのは、自社工場ではなく多くのファブリック工場に自社向け生地を発注している(ある意味で)商社となります。日本の場合ではサンゲツなどがこちらに入り、比較して東リはメーカー色が強いと言えます。

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以前はドイツのハイムテキスタイルが毎年華やかな新作柄を集めてショーを行ってきましたが、その巨大さが逆に中心性を失うところとなり、このところメゾン&オブジェの「エディトゥ-ル」が大手メゾンを集めて勢いを増していました。前回紹介しましたように、日本からはサンゲツやNEED'Kが出展しており、たとえば昨年のミラノ・サローネで家具のモローゾとコラボレートしたゴルランのような新しい行き方で成功を収めているカーペットメーカーも参集しています。

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ところで今年は前回書きましたように、かなりの数のエディターがメゾン&オブジェ離れを起こしていました。もともとパリ市内にショールームを持っているので、現在の経済状況でコスト削減を図るということも一つの要因としてあったのだろうと思います。それらのテキスタイル・メーカーが今年仕組んだのが「DECO OFF」というイベントです。名前からしてミラノのフオーリ・サローネ(サローネ場外)をまねたものですが、同じように巡回車をパリの2区と6区に回して各社ショールームを訪問できるようにしていました。

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Rue du Mail:マルの中はPIERRE FREY、右隣にベルギーの照明MODULARのショールーム

まずはルーブルを北上するRue du Louvre沿いにあるRue du Mailには多くのテキスタイルメーカーのショールームが集積しています。フランスはもちろん、ドイツ、英国、欧州のトップブランドが並びます。

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各ショールーム前にバナーを出し、マリークレールがDECO OFFの編集に加わるのも、ミラノのフオーリ・サローネのコピーとも言えます

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しかしミラノとの大きな違いは、自然発生的なイベントをつなぐ形でインテリアデザイン誌インテルニが演出を行ったのとは異なり、こちらは見本市を離れたショールーム同士がビジネス・プロモーションを行っている点です。初年度のせいか取り組みもいささか中途半端で、上記はDECO OFFの巡回車待ち風景ですが、だいたい30分から1時間待ちさせられたため、海外からのビジターには大変不評でした(パリのデコレーターは自分の車がありますから)。

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NYA NORDISKAとCASAL

6区サンジェルマン・デュプレ周辺の中で日本人の間で評判が立っていたのは、ニアノルディスカでした。Saints Peres通り沿いですが少しわかりにくい場所にあり、いかにもフランスっぽいカザルと同じ中庭コートに面したショールームです。シンプルな柄は日本人好みですが、意外だったのはアラブ系のインテリアデザイナーらしい男女が店と打ち合わせをしていたこと。ショールームのスタッフもコトバからアラブ系と察せられ、アラブは重厚・華麗好みという先入観も過去のものとなってきていると感じた瞬間でした。

(船曳 鴻紅)