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2009年9月 秋のメゾン・エ・オブジェ

メゾン・エ・オブジェに年2回出展することの意味は?
sozo_comm事業は、先月今年度の参加各社が選定され、いよいよ平成21年度の海外見本市プロモーションが開始されています。そこで来年早々出展するパリのメゾン・エ・オブジェの秋の見本市を視察してきました。

基本的にメゾン・エ・オブジェは9月は年末に向けてのクリスマス・ギフト商戦、1月はカーテン(エディトゥ-ル)と家具(サロン・ド・ムーブル)が加わったインテリアが主力となっています。しかし毎回出展している島村卓実さんによれば、9月と1月のメゾン・エ・オブジェは表裏一体の関係にあります。例えば島村さんの場合、1月は新製品のプロトタイプを持ち込んでバイヤーの反応を見る。その後引き合いの数が多い製品に絞って量産体制を夏までに作り上げ、9月は実際に受注して稲を刈り取る、ということでした。そのようにメゾン・エ・オブジェ常連組は、単に年2回同じ場所でバイヤーに会うということだけでなく、1年を通して出展を戦略的に組み立てているわけです。またメゾン・エ・オブジェの主催者であるSAFI側から言えば、1月だけ、9月だけ、という出展者はスペースの配分に苦慮するだけ厄介者となります。そこで出展者は、年2回の出展がロケーションの確保のためにも必要と考えています。多少2回の内どちらかのスペースを小さくして節約したとしても。

今年1月のメゾン・エ・オブジェでは、暴風雨によってテントのホール(5Cと7の一部)が大被害を受け、今後安全のため使用されないことになりました。新たなホール8が完成するまでそれらのホールの分をどこかで吸収しなければならなくなり、メゾン・エ・オブジェの展示スペース配分は大変難しくなります。しかも、1月の見本市にしか出展しないsozo_commブースはかなり不利になるはず。そこでフランス見本市協会日本代表の岡山道子さんにお願いして、会期中に何とかエティエンヌ・コシェSAFI代表にお目にかかり、日本のブースの出展場所確保をお願いすることにしました。コシェ氏を始めミヨ氏、ブジャール氏といった経営陣の面々は、見本市開催中は分単位で動く過密なスケジュールに縛られている上、頼る岡山さん自身も同時期にパリ南のポルト・ド・ベルサイユで開催される服飾見本市の面倒もみる超多忙な時でしたが、何とか3氏にご挨拶することができました。コシェ氏達の岡山さんに対する信望の厚さによるもので、感謝!です。

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エティエンヌ・コシェ氏とLe CLUBで面談

SAFIはメゾン・エ・オブジェへの出展者を独自の視点で選びます。企業の規模よりは、展示商品がメゾン&オブジェの各ホールのコンセプトに合うかどうか、さらに出展してビジネスに結びつけられるかどうかが重要なポイントとなります。昨年もそうでしたが、今年もsozo_comm選定企業とその商品を提示して了解を求めました。sozo_commの選定基準には、商品の良し悪しだけでなく、企業自身の市場開拓力も入っており、いずれの企業も問題なくパスしたと思います。もちろんsozo_commブースについては、今年と同じくホール6に出展できることと信じています。

2009年9月4~8日パリ・ノール M&O見本市会場
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メゾン・エ・オブジェのパリ・ノール会場は放射線状に各ホールが構成されていて、いかにもフランス的な設計です。秋の出展構成は、左からホール1(エスニック)、ホール2(テキスタイル)、ホール3(テーブルウエア)、ホール4・5A(インテリア)、ホール5B(ナウ!プロジェ)、ホール6(インテリア雑貨)でした。日本企業の出展数は冬にくらべて秋の方が数が限られています。(単年度執行の補助金事業を利用している事業の場合、9月は早すぎて間に合わないからです)
その中でいくつかをご紹介します。

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ホール1 "エスニック"に出展の二葉苑
今年度のsozo_commにも参加している「二葉苑」の小林元文社長は、家業を継ぐ前は旅行代理店に勤めて、得意の英語を使いトルコやインドを担当してきた方です。それだけに周囲の外国ブースともすぐにうち解け、まだ2回目のメゾン&オブジェ出展にも関わらず、確かな手応えを得始めていました。小林社長の横に並ぶのは、「杉原和紙」でもデザインをしている、パリ在住のドイツ人、ヨルグ・ゲスナー氏。今回小林氏からブースのデザインを依頼され、和紙とDYショップで仕入れたパーツを素材に、きわめてコスト・パフォーマンスの良いブースを作り上げていました。何より彼一人で手作りしてしまうのですから、本当に頼りになる助っ人です。


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ホール1 岐阜のクラフトショップ
同じくホール1には、冬のメゾン・エ・オブジェにREMIX JAPANとして出展している岐阜のブースの運営に関わっていた日本人女性2人が「紙インテリア」というブースを初めて出していました。岐阜県の支援もあり、和紙照明、美濃焼、春慶塗といった県内産品を扱っていますが、今後はパリに小さい店を出して岐阜以外のものも扱っていきたいと抱負を語ってくれました。


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ホール2 "テキスタイル" 内野タオル
日本勢の中でも際立った動きをしていたのが、内野タオルでした。今回がまだ3回目であるにも関わらず、ホール2のきわめて良い場所に三面開口で出展。昨年の1回目はホール2の奥深く、今年初めの2回目もそこから遠くない地味な立地であったことを考えると、大進出です。周囲のブースからは、袖の下をつかったんじゃないかと邪推されたと、フランス代表の加藤文二さんは笑っておられましたが、実際は今年1月の出展でジャーナリストによるLes Decouvertes(発見)賞*を受賞し、主催者側に好印象を与えていたためでした。メディア対策というのが単なる広報以上の意味をもつ好例です。因みにsozo_commではチクノライフがCoups de Coeur(一目惚れ)賞*を受賞しています。*会期中に有名デザイン誌がセレクションする2賞


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ホール2 イタリアのテキスタイル・ブース
丁度内野タオルの隣にはイタリアの繊維メーカー十数社がグループ出展していました。1社1社が商談できる小机が置けるスペースが確保されていました。並べられたタオルやバスローブなどはため息の出るほどゴージャスなものです。


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ホール3 "テーブルウエア"
隣のホール3には陶磁器メーカーの大手が目白押ししています。「リチャードジノリ」は、4月のミラノ・デザインウイークの時にトルトーナ地区で行った展示会のコンパクト版を展開していましたが、スタイリッシュ過ぎたのかバイヤーの数はまばらでした。高級紅茶で日本のマダムにも名前が知られる「マリアージュ・フレール」も、最近発売し始めた日本茶のためにオリエンタルテイストの茶器セットを売り出していました。


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ホール5A イタリアのブース
家具なども一部入ってくるインテリアのホール5Aでは、イタリアの4社がこちらも共同ブースを出していました。ホール2と同様、産地組合の出展ですが、まとまって出ることはインパクトの面でもコストの面でも効果があります。JETROの展示事業部によるジャパンブースはニューヨークなどでは固まっての出展をしているのですが、メゾン・エ・オブジェではなぜかバラバラ。1月は各ブースが横町のように並ぶJAPAN小路を作ってもいますが、出展者同士の呼吸があっていなかったという印象がありました。


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ホール5B "now!"
now!の常連となった島村卓実さんのブースです。今回は少し小さめでも出展をはたしておいて、次回はガンと大きく出展の予定とのことです。


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その島村さんに紹介してもらったフランス人のクラフトデザイナーですが、手作りの和紙照明をとてもリーズナブルな価格で提供するということで人気を集めていました。彼女は子供の頃日本に住んで和紙に興味を持ち、フランスに戻ってからクラフト作家として製品を作り始めたのですが、需要に供給が追いつかない。そこで周りの家庭の主婦達に作り方を教えて内職として手伝い始めてもらったのです。もともと和紙の貼り合わせなどに頓着しない手作り感を売りにしていたので、シロウトが作ったものでも十分商品となる。日本の工芸の行き方とは全く違いますが、こんな世界もあるのです。


プリスクリプターとは・・
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メゾン&オブジェのバイヤー向けサイン

プリスクリプター(プレスクリプトゥール)とは、建築家・インテリアデザイナーやディベロッパーといった開発物件がらみのバイヤーのことです。すぐにバイイングにつながらずとも、いずれ物件が入った時に大口のコントラクトが期待できる層だと言えます。メゾン・エ・オブジェでは、各ブースサインの中には、こんなバイヤー向け表示が書かれていたりします。この写真のでは2つ書かれていて、右がプレスクリプトゥール向き、左はミュージアムショップのバイヤー向き、を示しています。


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ホール5B "プロジェ"
日本でまだあまり知られていないコントラクト市場向けのプロジェというゾーンです。メゾン・エ・オブジェを主催するSAFIが新規開拓している部門で、細かい商談ではなく文字通りプロジェクト単位の大口需要を狙うものです。見本市側からすれば、世界の大手流通が中国で直接生産するプライベートブランド(PB)の時代に、従来のような小物雑貨を置いているだけでは国際見本市として小粒になりかねないと、力を注ごうとしているのだと思います。建材、壁・床材の他に家具や照明も出ています。SAFIがこの分野にいかに力を入れているかは、特別にプリスクリプター向けのガイド冊子を作っていることでも分かります。


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今回のホール6の様子
来年1月、このホールにJAPANブースが出現します。今後も準備を含め、sozo_commサイトで進捗状況を報告していきますので、ぜひ応援してください。

(船曳 鴻紅)