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2008年11月 アーカイブ

2008年11月06日

メゾン・エ・オブジェ 銀座でプレス発表

PARIS CAPITALE DE LA CREATION
SAFI代表 M. Etienne Cochetの記者会見

10月27日(月)の朝、銀座シャネルの最上階にあるアラン・デュカスのレストランで、メゾン&オブジェのプレス発表が、モーニング・ビュッフェの形式でメディアと関係者を集めて行われました。メゾン&オブジェの主催団体SAFIの代表であるエティエンヌ・コシェ氏にとっては、北京からフランスに戻る日本滞在時間わずか20数時間という慌ただしさの中でのプレス・ミーティングでした。しかしたった1日しかなくとも、世界に先駆けて2009年メゾン&オブジェのコンセプトを日本で発表するというのは、世界のトレンドを語るときにいかに日本からの発信が重要かということを、コシェ氏自身が熟知されているからだと思います。

この数年パリは世界一の都市としての存在をより強めようとしています。今回コシェ氏が中国を訪問したのも、SAFI代表と言うよりはパリ市経済開発公団の幹部としてジャン=リュック・マルゴ=デュクロ氏(パリ首都圏開発局次官)に同行し、PARIS CAPITALE DE LA CREATIONをアピールするためでした。PARIS CAPITALE DE LA CREATIONは、ファッションからインテリアまで多岐にわたる分野の専門見本市(1年間に27の見本市がパリで開催)に共通して、その期間パリを訪れるバイヤーやジャーナリストの方々に快適な滞在をしていただくための受入体制をつくる取組みということでした。

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以下、当日のエティエンヌ・コシェ氏のスピーチの内容をご紹介します。

「パリ」は、感動を引き起こす大きな財産である。素晴らしい建築、世界中の文化の融合、そしてそれをグローバルに通用させる表現ができる。あわせて、「パリ」というだけで感動する価値を生むことができる。例えば、ファッションウィークにしても、今やミラノ、東京など世界中で開催されているが、それが「パリ」となると特別のものになり、感情を動かされる。パリで出会うことによって、特別な価値が付け加えられる。

「Art d’virvre」とは、生活を大いに楽しんだ人生を送ること。パリは今後チャレンジングな活動をしていきたい。ファッション~インテリアまで、あらゆる分野に横断的な形で取り組み、交差させた表現をお見せする。1月末のメゾン・エ・オブジェではそういったものがどうなるか、具体的にご覧になることができる。

日本においても千年の歴史の中で、日本人の感性を持ってものづくりがされている。世の中がより一層複雑になってきた中で、真の価値を大切にしてものづくりしていくことが重要。今回、日本からの出展が75社あり、クリエーションを求めて集うことになる。

DESIGNERS of YEAR
DESIGNERS of YEARは、2006年はジャン・ヌーヴェル、2007年はクリスチャン・ラクロワ、2008年はザハ・ハディッドだった。シャネルのデザイナーとしてだけでなく、インテリア、カメラでも活躍するカール・ラガーフェルド氏を来年のクリエイターに迎えたいと考えている。ザハ・ハディッドはイラク・バグダット出身であり、カール・ラガーフェルドはドイツ出身で、フランス人だけでなく世界中のクリエーターが活躍するのもパリの魅力。PARIS CAPITALE DE LA CREATIONにも大変適切な方だと思う。

この秋のメゾン&オブジェ(9月開催)を見ても、今人々は確かな価値を求めるようになっている。それは、オーセンティックなものであり、伝統素材である。従ってこの冬のキーワードは、「シンプル」…本質的なもの、文化的ルーツに根ざしたもの、とすることに決定している。また今回世界金融危機という難しい状況下で、アンティドット=癒し というキーワードがこれに加わった。困難な状況下でこそ、人々の心を動かす、集いの場をつくる、どのようにしたら人々が大いに楽しめるのか、それを「癒し」として提供したい。


2009年1月メゾン・エ・オブジェは以下の構成となります。
インテリアシーン…元々のメゾン・エ・オブジェで年に2回開催(1月・9月)。来年で20回目となり、世界中の室内装飾・雑貨のトップ企業が集結。
メゾン・エ・オブジェ・エディトゥール…テキスタイルのみ。これまでで最大規模になる。
メゾン・エ・オブジェ・プロジェ…1月に開催されるのは初めて。建築のインテリアプロジェクトに関わる素材などのメーカーが集まる。
now!…コンテンポラリーアートをデザインの世界に取り込んでいく。今までで最大規模。
メゾン・エ・オブジェ・ミュゼ…オブジェ。文化的な側面が製品化されている。

そして1月のメゾン・エ・オブジェを飾る目玉は「美食」だそうです。
26日にはアランデュカスが見本市会場に来場し、1つは業界関係者向けとして、もう1つは一般向けとしてプレゼンテーションを行う。業者向けには、いくつかのコーナーのひとつとして「美食」を設ける。一般向けには、初の試みで700人収容する広い会場に10名のシェフと一堂に会する企画をもっている。調理をしながら話を聞き、人々の前で対談が行われる予定。


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ところで、コシェ氏はわずか1日足らずの日本滞在でしたが、SAFIのナンバー2であるフランク・ミヨ営業統括取締役は、前々日に来日することができたのでsozo_commのステアリング・コミッティのメンバーとミーティングを行いました。東京デザインセンターのデザイン・ブックスのショップで扱っているsozo_comm選定商品の現物をあらためてお見せし、そのデザイン性とクオリティの高さを確認していただきました。


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2階のメタフィスのショールームでは、村田智明氏が生み出す数々の製品の斬新なアイディア、革新的な技術と機能にふれて、世界のプロダクトを見なれているフランク・ミヨ氏も感嘆していました。

(船曳 鴻紅)

2008年11月08日

2008年11月デザイン・ウイーク

東京の方でしたら、毎年10月末から1週間開催されるデザインウイークは、多くのイベント招待状が送られてきてどこかにはお出かけになると思います。1980年代後半~90年代前半のカッシーナ、アルフレックスが中心となったデザイナーズ・サタデイ、それが学生が前面に出るようになった東京デザイナーズ・ウイーク(TDW)、イデーの黒崎輝男さんが東京を世界の桧舞台に乗せたデザイナーズ・ブロック、骨董通りを中心としたセレクト・ショップのデザイン・タイド、TDWが誘致したイギリスの100%デザイン、そして今年から新たに加わった東京ミッドタウンのデザイン・タッチと、わずかこの10数年の移り変わりは、昔から見てきたものにとっては少々食傷するような状況となってきました。私も定点観測的に1日だけ都心部を廻ってきました。ご紹介するのはsozo_commに選定された企業やプロデューサーに関係するところです。


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まずここ4年ほど神宮絵画館前で開催されているTDWです。

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100%に入ってすぐのベストロケーションに陣取りしていたのは、クルツの島村卓実さん。ここでは紙製品のディレクションをおこなっていました。いわゆる紙縒り(こより)を使ってバッグやステイショナリーを作ってしまうのです。ブランド名はcuiora、「清らか」に通じるイメージだそうで、まさに今年のメゾン・エ・オブジェのテーマ「癒し」に共通します。


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中ほどにマルニ木工がHA・RUとコラボレーションしたブースを出していました。ネクスト・マルニの家具のテーブル・トップや座面に超簡単に張り替えをできるシートをのせています。これはいかにも、軽薄短小(短期間でリモデル)、POPなグラフィック、素材革命の日本からの発信、ということで、今後大いに注目を集めると思いました。


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100%で最も人が集まっていると感じたのは、富士通のコンセプト・ワークのブースでした。インダストリアル・デザイナーの村田智明さんがプロジェクトリーダーとなって開催してきたワークショップの発表展示です。参加学生(6大学他)たちが、御題に対して真面目に取り組んだ発想豊かな発表が、多くのビジターの関心を呼んでいました。


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六本木のミッドタウンでは、有名プロダクトデザイナーの有名作品がオークションにかけられました。参加しなかったので、本当に落札されたのかは知ることはできませんでしたが。写真で右側の上から2番目のグレーのラブ・ソファは、sozo_commサローネ展のパンフ・デザインを引き受けてくださった伊藤節&志信さんのものです。中央は倉俣史朗さんのHow High the Moon。


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このデザイン・ウイークのための展示ではありませんが、ミッドタウン・タワー5階にあるデザイン・ハブではJIDPOによる2008年度グッド・デザイン賞展が開催されていました。展示製品のレベルの高さは当然のことですが、いつもながらここの展示ディスプレイには感心させられます。分かり易い、見やすい、コンセプトが一気通貫しているのです。


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同じくミッドタウン・ホールで開催されたデザイン・タイド展。以前は参加ショップの店先を借りての展示だったのですが、それでは出展者(デザイン・タイドで発表する若者達)にとってメリットが薄いと言うことで、この数年はこのようにミニ見本市形式になってきました。


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その中に、sozo_commにも選ばれた100%が参加していました。sozo_commに選定される企業は「海外市場で十分に競争力があること」「海外市場で売る体制が整っていること」が前提ですが、その意味では100%はその将来性に期待がかけられての抜擢となりました。すでに十分市場性のある製品のすべてを開発するのは、営業の兄と二人三脚の写真の坪井(弟)さんです。


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これから第一歩の100%に対して、MOMAを始めとする世界のセレクトショップに製品が並ぶのはアッシュ・コンセプト。デザイン・タイドに参加して今年は骨董通りのセンプレ・アネックスで発表を行いました。アッシュ・コンセプト及びデザイナーとのコラボを前面に出す+d、それらを統帥する名児耶秀美さんは、あくまで謙遜を美徳とする不思議な方です。パーソナリティが「癒し」そのものといった感じの名児耶さんが、「癒しのオブジェ」として一押しだったのがこのkusa


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骨董通りを青山通りに出て表参道手前に今年4月オープンした、中小企業基盤整備機構のRin。10月末からJAPANブランドの特別展が3階で行われています。会場構成は建築家の青木淳氏、キュレーションはスタイリストの長山智美さんということですが、感想は・・・無言・・・です。


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最後に、これらの華やかなイベント群と一線を画したかのように西五反田のオフィス街の中で開催されたデザイン展をご紹介します。こんなギャラリーがあることを、同じ五反田仲間でありながら今まで知らなかったのですが、芸大建築学科を卒業した方達がそれぞれ社長を務めるデザイン会社がテナントとして入るオフィスビルの1階に、二十数人の中堅(と言っても30代前半まで)プロダクトデザイナーが寄り集まって発表展示を行っていました。ミラノ・サローネのサテリテ展で金賞をとったりする常連組も参加しています。デザインとは元々アナーキーなものだろうと思っている私としては、組織的、体制的でないこんな活動の仕方はかえって好ましく思えるのですが。

(船曳 鴻紅)

2008年度Gマーク受賞

11月6日(木)2008年度グッドデザイン賞 の「表彰式/大賞選出」が東京ミッドタウン・ホール(六本木)で開催され、今年から三宅一生さんも加わった審議会によって2008年度Gマーク賞がオーソライズされました。

注目のGマーク大賞は、審査員+Gマーク受賞者の投票によって決されます。金賞となった受賞商品から6アイテムが大賞候補となって投票が行われましたが、今年は決選投票となり、かなりヒートアップしました。

【第一回投票】
トヨタ自動車 iQ..............................281票
無印良品 窓の家...............................77票
三菱オフセット枚葉印刷機......................138票
イトーキ LANシート...........................169票
リコー  GR DIGITAL II........................129票
PLAYSTATION3/Folding@homeプロジェクト協力.... 154票
本田技研工業 FCXクラリティ...................182票

トヨタとホンダが99票差という結果になりました。1位と2位の得票差が100未満のときは決選投票となる規定で第二回投票へ。

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【第二回投票】[決選投票]
トヨタ自動車 iQ..............................561票
本田技研工業 FCXクラリティ...................530票


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何と99票差が31票差に縮まりましたが、かろうじてトヨタのコンパクトカーがホンダの水銀燃料電池搭載カーを制しました。今回は逆転劇にはならなかったものの、過去にも同様のことが起こっているように思います。決選投票は他の大賞候補に流れていた票が1位と2位のどちらに流れるかですが、そこで様々な力学が働く・・・・・  トヨタのiQは全長3mの超小型ながら9つのエアバッグを搭載するなど安全面も確かで、日本のダウンサイジングの技術とデザインをフルに発揮しています。世界の自動車業界には強い北風が吹いていますが、このiQはまず欧州市場で売れていくことでしょう。


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今年のGマークにsozo_comm選定商品のいくつかが応募していました。皆受賞されていたと思います。上の写真は、スノーピーク、チクノライフ、岩谷マテリアル、ロロ各社の受賞商品です。


メタフィスは不易糊工業との連携で、ネジの形をした消しゴム、ボールペン・シャープペン・消しゴムを1本にした3wayペンを開発、受賞しました。不易糊工業はさらに中小企業庁長官賞の栄誉にも輝きました。

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(船曳 鴻紅)