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2008年07月 アーカイブ

2008年07月10日

サローネ国際家具見本市に見る今年のトレンド

少し時間が経ってしまいましたが、今年のサローネ期間中にミラノで見られた家具のデザイン・トレンドをご紹介することにします。このところ目立っていた世界の富裕層向けの「アート・オブジェ」的家具が一服して、全体として落ち着いてきた感がありました。昨年秋からのサブプライム・ローン問題による世界金融の収縮、ドル安(アラブ世界の投資運用にも影響)が一番の理由だと思いますが、この数年で世界の喫緊の課題と認識されるようになった地球環境問題も影響を与えています。

まず昨年、Bisazza でモザイクタイルを使った巨大オブジェを作ったスタジオジョブ(写真左)やハイメ・ハイヨンの傾向は、今年は同じくスーパ-・ステュディオ会場内のマルセル・ワンダース(ベビー・コットの10数倍の大きさのテーブル・ランプ)に見ることができました。しかしあくまでもインスタレーションといった感じです。

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昨年ロン・アラッドはドルチェ&ガバーナのメトロポールで派手に発表を行いましたが(写真右)、そういった「デザイン作品」をギャラリーがアートとして扱うのは、ここミラノとロンドンが活発です。サローネ期間中、市内のいくつかのギャラリーでは往年の名作が披露されていました。左はメンディーニの作品。

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毎年トレンド・セッターとして期待のかかるマルセル・ワンダースは、mooiの新規開発としてタータン地のテキスタイルを発表。左はその生地を椅子の脚に巻いたもの。

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このように近年はファブリック・メーカーと家具メーカーの接近が目立つようになってきました。ミッソーニはデュポンと組んでミッソーニ柄の樹脂製オブジェや家具、システムキッチンの表面材を発表しています。

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コンテンポラリー家具の第一線カッペリーニは、今年は市内ショールームでラグ・カーペットを発表しました。日本のnendoもフィーチャーされていましたが、左の写真はカルロ・コロンボのもので、シャギーの毛足の長さや織りを多様に組み合わせたもの。工芸的な要素を実用性に結びつけた魅力的なラグでした。右の写真は、フィンランドのテキスタイル・メーカー、マリメッコがフィンランドのスターとなったハッリ・コスキネンにデザインを依頼したものです。

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今年一番記憶に残ったのは、そのマリメッコの展示会場で案内をしていた女性達のユニフォーム。本当に愛くるしかった。来年は他のメーカー会場でも個性的なユニフォームが見られるようになるかもしれません。

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さらに一昨年にヘラ・ヨンゲリウスがヴィトラで発表した、ボタンや縫い糸でことなった色の布地をコーディネートの影響はその後も続いていて、そこかしこに、現代の生産技術にハンド・クラフトの要素を持ちこんだ作品が垣間見えるようになりました。その中でも、圧倒的に来場者の関心を集めていたのは、モローゾで発表されていたEdward van VlietによるSushi Collection。クラフト・モダンと呼べるジャンルのものですが、完全に日本の伝統意匠がカヴァーされてしまっていました。日本のメーカーさん達もがんばってください!

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最後に、洞爺湖サミットにシンボライズされる世界的な「環境」意識が、ミラノではこうでしたという報告をします。イタリアの世界的デザイン誌「インテルニ」は、ミラノ市の協力を得て、毎年大がかりなイベントを市内で組みます。今年はミラノ大学のキャンパスを借りて、「Green Energy」をテーマにして世界のスター・デザイナー達に多くのインスタレーション作品を依頼しました。日本からは喜多俊之氏が三洋の太陽電池による照明インスタレーションで、インテリア製品では吉岡徳仁氏、伊藤節&志信氏達が参加していました。

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しかし残念ながら、全般的に「環境」の表層的な扱いしか見られず、環境技術を用いた作品はごくわずかでした。日本のメーカーとのもっと幅広い連携があれば、意味のある展示になっただろうにと思いました。サローネ見本市会場内では、やはりグリーンを標語にした「サテリテ」会場も、単なるイメージだけの内容でした。「環境」意識をデザインで表現するのは、イタリア人にとってなかなか難しいことのようです。

(船曳 鴻紅)

2008年07月19日

コミッティの新メンバー

この2008年度sozo_commに経産省から新しいメンバーが加わりました。

経産省の安藤さんが官房室に配属になり、安藤さんと同じくらいフレッシュで可愛い内野さんが入ってきました。安藤さんは今までの経産省のイメージになかった工学部出身者(建築史)でしたが、内野さんは女性ながらもっと変わった経歴。理学部(薬学)専攻です。経産省というところも、懐が深いというか、幅が広いというか。このことって、とても良いことだと思います。でも、厚労省に行かなかったのは、今の事態を数年前に読み切っていたから?


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小保方 勉さん、内野 絵里香さん=経産省製造産業局日用品室
安藤 元太さん=ミラノ・サローネに出展を可能にした立役者
高田 公平さん、下前 晃さん=sozo_commのプロデューサー・チーム
杉本 浩さん、杉本 隆雄さん=sozo_comm事務局(IDAFIJ)
私(船曳 鴻紅)=sozo_commの広報戦略担当


この事業が始まったときのご担当者、梶川さんは、米国の留学先からニューヨーク便りを送ってきて下さっていました。皆さん、sozo_comm担当になった当初は全くデザイン業界の知識はなかったのに、すぐ勘所をつかまえてしまって、思うように泳げるようになるまでが早い、早い。梶川さんの米東海岸のアート、デザイン情報はなかなかのものでした。

やはり昨年から途中参加した小保方さんも、まだ一年足らずの関わりにもかかわらず、いつも真っ先に的確な判断を寄せて下さいます。こういった日本の若手官僚の実態がもう少し世の中に伝われば、国民も政府に多少は協力的になるかも?

しかし今回もそうであったように、問題は、皆さんの任期があまりにも短か過ぎること。全員、一年も続かないのですから。日本の官僚は能吏だから転属してすぐに業務内容を把握できるにしても、事業の成果が多少なりとも見えてくるのは1~2年先のこと。その時まで担当できて初めて、政策を遂行した感覚が得られるはずだと思うんですけれど。省の人事スタッフの方々に申しあげたい。官僚の仕事って、政策立案と予算獲得で終わりじゃないはずですよね。一番大事なのは、それぞれの政策を磨き上げること、施策の現場に合わせて政策を本当に血の通ったものに仕上げていくことだと、私は思います。

(船曳 鴻紅)