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2008年06月 アーカイブ

2008年06月22日

2008年冬 メゾン・エ・オブジェ・レポート

平成20年度は、sozo_commとして出展を目指す欧州見本市が、パリのメゾン・エ・オブジェ(冬:国際室内装飾見本市)とミラノのサローネ(国際家具見本市)に決定しました。欧州と言わず、世界にトレンド発信する見本市としてこのところ益々プレゼンスを増している両見本市に出展することは、sozo_comm参加企業の世界市場進出を力強く進める第一歩と思います。これから1年、両見本市またそれを目指す日本の製造業の現況、さらに世界のインテリア・デザイン産業を取り巻く状況をレポートしていきます。

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まず来年パリで開催されるメゾン&オブジェですが、もともとアトリエ・ダール・ド・フランス(フランス工芸作家協会)が主宰してきた頃は国内インテリア雑貨見本市の色彩が濃く、毎年サロン・ド・ムーブル・パリ(パリ国際家具見本市)と併催されていました。しかし世界的な見本市運営会社リード・エキジビション社と共同してメゾン&オブジェを運営するようになってからは、フランス国内にとどまらず世界にファッション・トレンド・セッターとしての存在感を強めるようになりました。それは21世紀のデザイン産業が製造業から情報産業に移る潮目に、タイミング良くのったかのようです。最近は50年近くの歴史を持つムーブル・パリ(パリ国際家具見本市)も吸収して、家具のミラノサローネに対抗して世界で最も影響力のある室内装飾見本市に育ちつつあります。


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上の図はパリの北にあるパリ・ノール見本市会場の図です。年2回開催されるメゾン&オブジェは9月と1月では多少ホール構成が違います。1月時には、デザインのホールであるhall 5が5Aから5B,5Cまであり、正面エントランスからずっと一続きになっています。2007年には、今のデザインをフィーチャーするhall 7が新設され、now! design á vivre(生活を彩るデザイン)として情報発信型の展示ブースを集めています。

メゾン&オブジェの展示面積は123,912㎡、出展者数は3,001社(仏国内約1,890社、国外約1,110社)とまだアンビエンテなどに比べても小ぶりですが、2008年1月の来場者数は86,085人で前年比3.2%増(仏国内50,082人、国外36,003人)と、欧米の見本市が軒並み人気を失いつつある中で(サローネは超例外)まだまだ上り基調です。


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hall 1はethnic chic(シックな伝統文化)、hall 2はテキスタイル、hall 3はテーブルウエア、hall 4はcôté déco(デコレーション)という区分になっています。今年hall 1~4には、日本の企業で食器、壁紙、タオルなどが多数出展していました。例年ブースに人だかりが絶えないのは、ケーキ屋さんのような設えでタオルを売るプレーリードッグです。またhall 4にはまとまったJETROスペース(JETRO展示事業部が毎年ホールドしているスペース)があり、5社ほど輪島の漆器から左官の土壁塗装まで日本の伝統技術の粋を紹介していました。


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sozo_commが出展を予定するのはhall 5Aのcôté décoです。最もプレスティージの高いhall 5B,5Cのéditeurへの導線上にある人気の高いゾーンです。ここには日本香堂など古くからの常連組も出展していて、一時フランスでブームとなった日本の香はインテリア・フレグランス・ブランドのエステバンでも大きく扱っていました。

sozo_commはこのホールに、2009年1月、高品質、ハイデザインの日本製品ブランドを披露すべく、これからの6ヵ月、選定作業、展示プラニング、広報発信を行いながら、メゾン&オブジェの運営者であるSAFI(フランス・アトリエダール組合とリード・エキジビション・フランス社との共同出資による運営機関)との間で、できる限り好条件を引き出せるよう交渉を続けていきます。


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今年のHall 7 now!がフィーチャーしたクリエイターは、パトリシア・ウルキオラでした。桐山登士樹さんのディレクションにより日本の地場産業デザインが集結したJETROのJapan Styleブースも、SAFIの特別な配慮でこのホールにあります。その近くには、イギリスの出展者と連携できた高知県馬路村の「モナッカ」のブースもありました。


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やはりメゾン&オブジェの華は、最奥の5B,5Cにあるファブリックスなどを中心としたエディトゥールです。華やかさにおいては格段に他のホールを圧倒していて、今や世界のインテリア・ファブリックスのトップブランドは毎年ここに集まってきます。近年インテリアにおいて、例えばソファなどがテキスタイル素材の組み合わせに力を注ぐようになったように、ファッションと相性の良い繊維メーカーの存在が益々大きくなっていることが見て取れます。

エディトゥールの隣のインテリア・シーンには、商工会議所・商工連合会が主宰する「JAPANブランド」のブースが、ことしは3グループ出展していました。山形市の山形工房、会津市のBITOWA、京都市の京都プレミアムでした。


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2007年5月にパリ家具見本市として知られた「サロン・ド・ムーブル・パリ(通称ムーブルパリ)」はSAFIに100%買収され、メゾン・エ・オブジェの家具セクション「プラネット・ムーブル・パリ」と一体化して、2008年1月から新たな国際家具見本市「ムーブル・パリ」となりました。2007年のムーブル・パリはパリ南のポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で開催されましたが、今年からメゾン&オブジェのパリノール見本市会場からシャトルバスで10分ほどのところに新設されたル・ブルジェ見本市会場で開催されています。シャルル・ドゴール国際空港に近く、これら見本市会場を世界でより競争力のあるものに育て、パリを世界一のコンベンション・シティにしようというパリ市の強い姿勢を感じることができます。

(船曳 鴻紅)

2008年06月27日

2008年4月 サローネ会場

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2008年サローネは4月16日~21日まで、今年3年目になる新フィエラ会場で開催されました。新会場は展示面積40万平米以上 という、ビッグサイトの5倍もある広大な展示場です。その中で次の見本市が同時開催されました。

ミラノ国際家具見本市  出展社数:1,380社 展示面積:154,000㎡
国際キッチン見本市   出展社数:130社  展示面積:32,000㎡
国際オフィス見本市    出展社数:160社  展示面積:20,000㎡
国際バスルーム見本市 出展社数:121社  展示面積:9,800㎡

中でもミラノ国際家具見本市(「サローネ」)は、年々来場者数が2桁台の伸びを示すほど人気があり、世界で最も出展することが難しい見本市の一つとなっています。今年の来場者数は348,000人で、前年比29%増になったほどです。


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地下鉄の駅に直結する東ゲートから入ると、まず1, 2, 3, 4号館には Classicな家具が並びます。実はこのサローネを経営するのはCOSMITというイタリア家具連盟を母体とする組織で、もともとイタリアの輸出家具の主流はクラシックな家具のリプロダクション。ほとんどが小規模経営のメーカーですが、そのため数も多い。必然的に一大勢力として良いロケーションを要求する力があるわけです。次に5, 6, 7, 8, 10, 12号館と、イタリアの家具を代表するDesign家具メーカーのパビリオンとなります。8号館、12号館に、世界で最もコンテンポラリーな家具メーカー「モローゾ」「カッペリーニ」「カルテル」「ドリアデ」などがひしめきます。そしてそのさらに奥に、一般生活のインテリアとしてなじみ深いModern家具が、9, 11, 13, 15号館 に展開しています。


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しかしこの見本市会場には大きな欠点がありました。マッシリアーノ・フクサス設計の会場の動線計画の悪さです。この新フィエラ会場は、上が動く歩道、下がフリーアクセスの東西1.3kmに延びる通路に沿って、1~2階建ての8つのパビリオンが並び、全体を回るには14km歩かなければならないとも言われています。従って来場者は基本的に自分の見たいブースに直行してしまうので、ブースのロケーションが単にプレスティージを表すだけでなく来場者数を決定してしまいます。今年初めての出展にも関わらず、sozo_commは6号館というほとんどこれ以上はない場所を確保することができました。メイン通路から最も人気のある8号館へと上がるルートに位置するからです。


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8号館の人気ブース
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ポルトナウフラウ・グループ
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これらのイタリアを代表するメーカーは、毎年新作をこのサローネで全世界に売り出し、ゆるぎないブランド力を見せつけるのです。サローネに出展しないメーカーもあります。ポルトナウフラウ・グループを所有する投資グループ「シャルム」に対抗するように、B&Bを買収したブルガリの投資グループ「オペラ」は、ミラノ市内Durini通りにあるB&Bショールームのみで展示を行います。もう一つは、80近くになっても美しさと魅力を失わないマダレーナがオーナーのデ・パドバで、1年を通じて家具を作り販売するのでサローネの時だけに集中するわけにはいかないというポリシーによるものです。

日本のnendoもデ・パドバで発表
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今や名実共に世界でナンバーワンのデザイン見本市となったミラノ・サローネに出展することは、非常に難しいのが現実です。会場を増築しない限り700を超えるというウエイティング・リストが解消する見込みはほとんどありません。カッシーナ、ドリアデ、サワヤ&モローニ、メリタリア、モローゾといった市内にショールームをもつところは双方で展示を行い、サローネ見本市の方をよりビジネス色の強いものとしています。そのようなサローネにJAPANブースを出展することができたのですから、日本の家具メーカーの方達にはこの大きなチャンスを活かしていただきたいと思います。

(船曳 鴻紅)