Uターンする若手デザイナー達
昨日まで長谷川滋之さんの個展がTDCで開催されていました。長谷川さんは岐阜県大垣市の生まれですが、大学はアメリカのワシントン州立大学卒、その後の経歴もアメリカでの家具コンペに入賞、ミラノのサテリテに出展など国際派です。しかし今回の作品のメインは美濃和紙の照明。岐阜市の林工芸とのコラボレーションで制作された、「岐阜提灯」の繊細なバリエーションです。まだ市場に出ていないプロトタイプの段階ですが、私の目には海外市場でも十分に魅力を放てる製品で、できれば来年のsozo_comm事業にご応募いただけないかと気の早い話をしてしまいました。
長谷川さんは、これからもっと林工芸を始めとする和紙職人さん達との連携を深めるために、岐阜への転居をすでに決めていました。素材と技術をより深く知るためと、やはり生活を共にすることで地場の職人さん達に受け入れてもらうためです。
従来だったら工芸作家希望者に限られていたのが、最近このような若いプロダクトデザイナーの地方回帰も見られるようになってきました。Uターン組のデザイナーで地域で活躍されている方もいらっしゃいます。彼らは多くの場合、デザイナーという職能以上に、すぐれたインフォーマー、コミュニケーターとなって、地元に新しい風を吹き込む役割を担っているのです。そんな一人になって欲しいと、今から長谷川さんに期待します。
(船曳 鴻紅)
