« sozo_comm cafe | メイン | タイのベストデザイナー1 »

止められますか、地方の衰退

地方の衰退をどうとらえるか、というテーマでNHKが今夜3時間討論番組を放送していました。学識者の他に全国各地から50名ほどの方が討論に参加し、地方を国が支えるべきか否かの議論をしたのです。

予想した以上の議論はなく、「東京に一極集中させてでも世界の中での競争力を増さないと、地方を助ける余力もなくなる」vs「地方に人が住めなくなって荒廃したら元も子もないはず、援助せよ」と、あたかも「あなた払う人、わたし使う人」と、大都市と地方の関係を固定的に語る人が多いのにはがっかりしました。しかしその中で面白かったのは、何人かの若い女性達がワンパターンな思考から抜け出ているように見えたことです。

NHKが「地方を国が支えるべきか否か」への賛否を問うたとき、スタジオの過半数は支えるべきと答えたのに対して、(それぞれ別の地方から来ている)若い女性達が必ずしもそうではないと答えたのです。彼女たちは、地域で町づくりにも関わっているようでしたが、国に安易に頼る前にまずは自分たちが生活の中で何を必要としてるのか、何を求めているのか、しっかりと考えなければならないはずと発言していました。

なぜ若い女性が、他の中年男女の参加者、また同年代の男性と違った意見表明をしたのか。私は、そこに地方が抱える本当の問題が見えるような気がします。地方には産業の衰退以前に地域社会の息苦しく閉塞的な構造があって、それに嫌気がさして都市に出て行ってしまう若者がいるのです。おそらくそのことが一番良く分かるのが、社会構造の底辺に位置する若い女性層だったのではないでしょうか。

昨年の夏、日本デザインコンサルタント協会はGマークのGDP会場内で「地域とデザイン~Japan Old & New」という展覧会を開催しました。地場産業とも呼ばれる地方に根ざす製造業の中で、気概ある商品開発を行い成功している事例に集まっていただきました。そういった方々に出会いますと、地方は切り捨てられているわけではなく(国からの補助金や助成金の数々は都市部の人間から見ると信じられないほどの金額に上っています)、自ら切り開いていく仕組み作りが求められているのだと思わせられました。

DSC03357%E5%B0%8F.jpg

今年度から始まるsozo_comm事業を、その仕組み作りに利用していただきたいと思います。

(船曳 鴻紅)