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2007年04月 アーカイブ

2007年04月14日

Coco・diary です 初めまして

東京デザインセンター代表の船曳鴻紅です。

今日から、家具や日用品の海外市場開拓のための経産省補助事業「生活関連産業ブランド育成事業」を中心に、世界のインテリア事情をご案内するcoco・diaryを始めます。私もコミッティ・メンバーであるIFFT(東京国際家具見本市)の開催者「国際家具産業振興会」が、今年度から経産省の補助金を得て、世界市場に日本のインテリア製品をプロモーションする事業を始めることになったからです。そこでの私の役割は「もの語りコミッティ」という広報戦略です。

新規事業なので、広報戦略担当としては如何に早く、多くの方達にこの事業に興味をもっていただくかを図っていかなければなりません。そのために、私としては初めてブログを書くことにしました。個人的な感想日記の色合いが濃いとは思いますが、事業の進捗状況をリアルタイムでお伝えし、できる限りの情報公開をしていきたいと思っています。ライフスタイル産業に関わる事業者の方々、デザイナーやコンサルタントの方々、デザイン・メディアの方々に、ご興味を持っていただけるような情報が発信できれば幸いです。

早速ですが、明日から2007年ミラノ・デザイン・ウイークの視察でミラノに行きます。今年は例年と違い、いつもの観客としてでなくバイ・プレイヤーとしての関わりが見えてきただけに、期待感は一層ふくらみます。国際家具産業振興会の会長である小菅康正さん、IFFTのプロデューサーであり新事業の統括プロデューサーも務めることになった高田公平さん、また経産省製造産業局の方々ともミラノでご一緒します。ちょっとひと味違ったサローネ報告をしますので、ご期待ください。

2007年04月15日

ミラノ往きの機内から

今日成田から発ちますが、ローマ経由となってしまいました。この時期ミラノ直行便は満席で、一般に他都市経由となってしまいます。フランクフルト経由もバーゼルの宝飾見本市があるためにもっと満席状態で、サローネへの出張日程が決まったら、できるだけ早くホテルだけでなく飛行機もおさえないといけないと再確認。

眠れない機内で所在なくフィナンシャルタイムズに目を通したら、今から行くデザインの話が目に飛び込みました。ヘッドラインが「Victims of seduction? (誘惑の犠牲者?)」。4段抜きの写真は、クリスティーズのオークションに出たCarlo Mollinoが1949年に製作したガラスとオークのテーブル。写真のキャプションに「Mollino’s $3.8m table」とあります。エッ、この前、復刻版をザノッタで見たばかりじゃない。

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クリスティーズ20世紀装飾美術のヘッドであるフィリップ・ガーナー氏は、2005年夏にこれが出品されたとき$0.5mはいくかなと思っていたそうです。それが3.8ミリオンダラー、邦貨にして4億5千万円!易々と20世紀の家具としては最高値をクリアしてしまいました。今やこの手の家具は、同時代のアート作品と遜色ない価格で取引されるようになったのです。

さらにマーク・ニューソン、ロン・アラッド、フィリップ・スタルク、トム・ディクソン、ジャスパー・モリソンといったスーパー・デザイナー達は、コンテンポラリーアートのトレイシー・エミンやダミアン・ハーストと同等のステイタスでメディア・スターに仲間入りしたとあります。先述のガーナー氏はデザイン家具の芸術性を認めながらも、1980年代以降「デザイナー」という形容が社会的なステイタスを意味するようになり、良いデザインであるためにはブランド化される必要がある状況を嘆いています。大衆はパブロフの犬のように引かれて、あたかも今年流行の細身のジーンズを買うようにデザイントレンドを追いかけるようになったということです。

しかしコラムニストはこうも書いていました。リートフェルトの椅子はモンドリアンの絵画と同じムーヴメントから生まれ、その衝撃度は等しかったにもかかわらず、当時の社会的価値はずっと低かった。それが今や家具がアートと同じ価値を持ちだしたのは、単にコレクターの収集欲の結果というだけでなく、私達の身の回りのもの(例えばケータイの平均使用期間は18ヵ月もない)が益々恒久性を失ってきたからで、人々はそれ故に永続するものを以前に増して求めるようになったからだと。大衆のイコンとしての価値から言えば、20世紀末以降のアートとデザインの間にはもはや何ら垣根が存在しないのでしょう。

“政治家たちがもはや怖いボスではなくなり、生産製造の現場が私達の社会を形作る時代は、「人が人を支配する」のではなく、「人が人をそそのかし誘惑する」時代なのです。” それがこのコラムの締めのコトバでした。

(船曳 鴻紅)

2007年04月16日

視察ルートの事前チェック

ミラノはこの数日来、急に暖かくなっていました。青空から降ってくる紫外線を肌で感じるほど強い光の下で、夏のように暑い日でした。28度はあったようです。イタリアの他の歴史都市に比べると産業都市の色合いが濃く残っているミラノは、真夏の日中に外出して老いをさらしている中年男女みたいです。

明日以降のイベント場所をチェックするために街中に出たのですが、行く場所行く場所、展示会はまだずっと先の印象。飾り気のない街並みは、デザインなんて関係ないよといった風情。でも日本人のところだけは、早くもサインやバナーがたち始めていました。他は明後日には始まるというのに、まだ壁の建て込みの段階でおそらく初日には間に合わない。間に合ってしまう、という人もいますが、それはその段階で終了と見切っているからだけだと思います。

さて視察のルート決め。各社の常設ショールームは問題ないのですが、通りの名と番地だけ教えられているフオリ・サローネ のイベント会場は現地で確認して探していかなければなりません。日本のように所番地の載っている地図がないのです。以前タクシーの運転手が持っていたプロ専用の地図を探しているのですが、未だ手に入っていません。

ミラノの西南、運河地区の「ゾーナ・トルトーナ」に展開するイベント群を最後に訪ねました。割とオープンにしているので、日本から多くの知己が参加するデザイン・プレミオの準備会場にも入り込んでしまいました。総帥の川崎健二さんはもちろん、モナッカの島村さんもおられて、明日からの開演にエールを送ってきました。続いて訪れたヤマハはすでに会期中披露するミュージック・セッションの打合わせ中。2年前にサテリテで初めて会った川田さんに会えました。展示してあるのは、ヤマハが展開しているサイレント・バイオリンなどの機能楽器。でもものすごく格好良い。サテリテで発表するスタイリッシュな家具もいいけれど、自分の持ち分である楽器で何故勝負しないの、と昨年私が言ったことばが響いた、と言ってくれてうれしかったです。

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(船曳 鴻紅)

2007年04月17日

ミラノデザインウイーク前夜祭

今日はまず「インテルニ」のミラノ市との共催イベント「DECODELEMENTS」の記者発表に行きました。スフォルツェスコ城内で展示されるインスタレーションの作家達、エットーレ・ソットサス、ドリアーナ・フクサス、アレッサンドロ・メンディーニ、ガエターノ・ペッシェ、オディール・デック、ミケーレ・デ・ルッキ、隈研吾、ロン・アラッド、インゴ・マウラーが顔を合わせる豪華な布陣だけに、各国からのプレスがオペラ座前の会場Palazzo Marinoに目白押しでした。

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しかしこういった会見は日常的にあるデザイナー達のこと、壇上のガエターノ・ペッシェはガムをクチャクチャさせADHD症候児童みたい、ドリアーナ・フクサス(マッシミリアーノの奥さん)、ロン・アラッド、メンディーニはお互いに話しかけてばかり、インゴ・マウラーと隈研吾はイタリア語が分からないので終始退屈そう。ところがイタリア系はそれぞれ自分にマイクが回ると実に熱心に語り出します。極めつきはガエターノ・ペッシェで、自分にマイクが回るとすごいパフォーマンス。なぜ聴衆が興奮しているのか分からないのがもどかしいのですが、途中でも拍手が出て、最後はカーテンコールという感じでした。

街中はまだ今日もオープンしていません。車をチャーターして、照明デザイナーの東海林弘靖さんと準備中でも気楽に入っていけるトルトーナ地区に向かいました。トルトーナでは先ほど壇上に見たばかりのアレッサンドロ・メンディーニとすれ違ったのですが、その後ろにインテルニが用意した”mendini”と車体にサインした「ミニ」が運転手付きで控えていました。

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そろそろ各社レセプションが開かれる夕刻になったので、トルトーナで出会った川上元美さんと寺田尚樹さんも一緒にマンゾーニ通りへと移動。サワヤ&モローニではパオロ・モローニさんと会えました。まだ17日から開いているところが限られているせいか、ドリアデは満杯状態で入れません。

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ミラノの高級お総菜屋のPECKが経営する「CRACCO PECK」に出かけて、今日は打ち止めとしました。東海林さんお奨めのFrescobaldiの赤ワイン「LUCE」で、明日からのユーロ・ルーチェを祝して乾杯。

(船曳 鴻紅)

2007年04月18日

サローネ デル モービレ始まる

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サローネの初日です。昨年は新会場に移転して初めてのサローネで、入場者がつめかけていても会場になかなか入れず、ほとんど押し倒れそうな状態でした。今年は入場がスムーズです。鳴り物入りで始まった昨年に比べ、有名ブランドが集まる8号館も落ち着いています。ポルトナウ・フラウ・グループの総帥、フィアット会長でイタリア産業総連盟の会長でもあるルカ・ディ・モンテゼーモロ氏も姿を見せましたが、昨年のようにプレスがフラッシュの集中砲火を浴びせる光景はありませんでした。やはり昨年が特別だったんですね。

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8号館ですぐに、昨秋汐留にトリエンナーレを開設した桐山さんに会いました。もう21回通っているから、と風のように去っていった印象です。東大農学部に在学中の中西元男さんのお嬢さんもPAOSの方たちと一緒に見えています。泉真也さんとトリノなどを視察に来ている福井昌平さんとも。愛知万博プロデューサーを務めた福井さんは、2010年の平城遷都1300年記念事業を企画中。ランチで待ち合わせたフィンランドデザイナーたちに日本のデザイナーたちとの実質的なギブ&テイク、共同の営業作業を提案していたところ、丁度カッペリーニの前で出会えたnendoの佐藤オオキ氏を紹介できました。

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昨年のテント生活を脱して今年は何とかパビリオンの中に設けられたサテリテをまわります。場所は、メインの東口から最も遠いユーロ・ルーチェ館のさらに奥。ここは巡回バスを利用。ともかく工夫しないと1日で何十キロも歩き回る羽目になってしまいます。サテリテには、今年もかなりの数の日本組が参加していました。東京デザインセンターで例年開催する「サテリテ展」は今年も充実できそうです。

昨晩に続いて今晩も多くのレセプションが予定されているため、4時にはサテリテを出て、西口からの待ちタクシーの列に並んだのですが、なかなかタクシーが現れず西日の中で待つこと50分。疲れました。新会場は、地下鉄を利用するしかないようです。

夜再びフオリ・サローネへ。INTERNIのパーティに入ろうとスフォルツェスコ城まで来たのですが、入場口が城の反対側と聞いてもう元気をなくしあきらめ。そのまま内田繁さんやトネリコの会場へと向かい、喜多俊之さんの個展に寄りました。さらに最後の力をふりしぼって、ブランドショールームが居並ぶDURINI通りへ。メリタリアのレセプションでマリオ・ベリーニさんに出迎えられ、また偶然にも東京デザインセンターのロゴマークをデザインしてくださったイタロ・ルピさんに会うことができました。ベリーニさんは元ドムスの編集長、ルピさんもアビターレの編集長、無二の親友です。

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ホテルに戻って、深夜、メールを開けると、浅葉克己さんのデザインが送られてきていました。「生活関連産業ブランド育成事業」のロゴマークをお願いしていたのです。感激、感謝。


(船曳 鴻紅)

2007年04月19日

VIA~サローネ~総領事公邸

朝一番、8時からフランスのVIA(フランス創作家具振興会)とIDAFIJ(国際家具産業振興会)とのミーティングがありました。昨晩ミラノ入りされた小菅会長、高田プロデューサーが秋のIFFT50周年記念シンポの打合せをするためですが、「生活関連産業ブランド育成事業」のためミラノを視察に訪れた経産省の石黒審議官、日用品室の梶川さん、デザイン室の森田さん達もご一緒されました。VIA側はメイヤー会長とレイズ事務局長です。

VIAは家具の総売り上げの0.2%を政府から保証され、若手のデザイナーの育成支援を行っている団体です。年間3ミリオンユーロの予算と聞きましたが、それ以上のファンド・レイジングを行って、ミラノではことしもスーパーステュディオで1000平米の展示を行います。

先日は東京デザインセンターに仏政府に依頼されたフランスのコンサルティング会社が日本のデザイン政策について質問に見えています。国としてデザインをブランディングに積極的に使うイギリスに刺激されて、今後スパースター育成に拍車をかけるのか、それとも別の道を模索すべきか、フランスでさえ実は迷っているという印象でした。写真は「Kartell」のスタンドでのフィリップ・スタルクです。

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ホテルを同宿していた木村ふみさんは、昨日の三井不動産のセッティングを終えて、もうオランダに向けて出発。午後はまた小菅さん達とサローネの会場に向かいました。今回アポイントをとっているCOSMIT(サローネを運営する団体)のメッシーナ会長が経営する「Flou」に寄ってみると、マリオ・ベリーニがデザインしたベッドがいくつもあって、そのFlou社のスタンドで今年もまた芦原弘子さんに出会うことができました。彼女に前回会ったのも、やはり昨年のサローネ。東京にいるよりも出会いは確実に多いようです。秋谷弘晃さんに隈研吾さんがWalter Knoll社にデザインした椅子を教えてもらいました。実にスタイリッシュ。今年はINTERNI、三井不動産・・・と隈さんYEARです。ところで芦原さんから「隈さん、忙しいのに歯痛かかえてお気の毒」と聞いて、一昨日の浮かない顔はそのためだったのかと、納得。

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今年は、COSMITの広報企画部長マルヴァ・グリフィンさんによって、新人が格安で出展できるサテリテ企画が始まってから10年目。10周年企画展は「A Dream Come True」といって、その後メーカーに発掘され製品化されたインテリアプロダクトの数々が展示されてありました。日本人デザイナーもnendo、トネリコを始めとして目白押しです(14点ありました)。

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夜は東総領事に招かれてサン・バビラの公邸で夕食。4月に郊外の広い公邸からこちらへと移転されたばかり。面積は大分狭くなったとのことですが、素晴らしく広いテラスと背後の深い緑はとてもモンテ・ナポレオーネからもすぐに歩いてこれる場所とは思えません。今晩のゲストは、石黒憲彦審議官を始め経産省の面々、IDAFIJ関係者、JETROミラノの平井所長と高木次長。それに川上元美さん、浅葉克己さん、川崎健二さん、JETRO前田課長、三上さん達が「デザインプレミオ」の展示会場から駆けつけました。総領事はとてもフレンドリーな方で、食事も日本の面々にご配慮くださり、和食仕立てにカレーライスまであります。お昼をぬいていた私は、早速カレーに飛びつく。こんな家庭的な食事が疲れている体にはうれしいです。総領事のお話も尽きなく、調子に乗って時計の針は11時をまわり、昨晩着いたばかりの方々にとっては少々きつかったかもしれません、ごめんなさい。

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(船曳 鴻紅)

2007年04月20日

フオリサローネ視察

チャーターしたバンでホテルを9時半に出発し、今日は1日フオリ・サローネ視察ツアーとしました。ミラノはこの1週間、曇る日なしの絶好の天気で、最高気温も28度を軽く超えるかというほどの初夏の気候。日中は気持ちよいのですが、午後になると暑いぐらいです。

昨年、INTERNIイベントは他都市からミラノ旧市街への出入り口となるPORTAを飾るオブジェと照明のインスタレーションで、その多彩さに目を見張ったものです。今年も、と期待したのですが、スフォルツェスコ城で開催された「DECODELEMENTS」は、場所も狭いせいか昨年に比べて低調でした。続いて隣のセンピオーネ公園にあるトリエンナーレに行って、三井不動産がスポンサーする「つなぐ」展、坂茂設計のアルテック展示棟を見ました。「つなぐ」展の隈研吾設計の小屋の中に収まった原研哉さんの「つくばい」は、超撥水性の皮膜の円盤上を水滴が小さい玉ころのように転がっていく、静かで魅力的なものでした。

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昼は喜多俊之さんの個展もあるブレラ界隈を訪れて、ランチをとりながらのステアリング・コミッティ企画会議。浅葉さんにお願いしているロゴマークを取り出し、事業名称とマークについての感想をもらいました。マークはトンパ文字の「トビラを開ける」、名称はsozo_commに決定。これを早速日本に伝えて、5月9日に開催する事業説明会に間に合うよう、パンフレットのレイアウトに入れてもらわなければ。

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COSMITの市内公式イベント「Room With a View -Art and Interiors in Italy 1900-2000」は思っていたより良かったです。50年も前にすでに座がコードのコンセプチュアルな椅子も生産されていたことを知りました。ヤマギワでは、ミラノでは伊東豊雄の球形の照明が人気があり、ドイツではパブロ・レイノーゾの竹状の蛍光灯照明の方が人気があると聞き、意匠性の評価はヨーロッパの南北でも分かれるなと思いました。

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トルトーナ地区は金曜の夜はトルトーナ・ナイトとあってどこも大盛況。スワロフスキのシャンデリア展と同じ建物の2階、明るく気持ちの良いスペースを確保していたのは60周年を記念するアルフレックス。今年の展示はハズレだったレクサスは、車のモックアップだけは年々実物に近づいていて、来年は実車が登場するかなと期待を持たせます(微笑)。昨年ザッハ・ハディッドで今年はジャン・ヌーベルのデュポン・コーリアンも期待はずれ。今年も日本勢が大挙したトルトーナには、なかには勘違いジャパネスクもあったり、BALSTOKYOのような「クラブ」雰囲気の展示構成もありましたが、中でも「デザインプレミオ」は際だって盛り上がっていました(しかし日本酒大盤振る舞いはもったいないと思う)。

最後は打ち上げを兼ねて、トルトーナ端のオステリアで今が咲き頃の藤棚下での会食となりました。とても楽しい気分でレストランを出たまでは良かったのですが、行きは良い良い帰りは怖い、すぐ裏側の地下鉄駅にたどり着くまで延々50分、牛歩状態になってしまいました。日本人は皆、明石の歩道橋事故を思い出したと思います。トルトーナに入ろうとする人と帰る人並みが、橋の上で押しくらまんじゅう状態です。危険ですので、来年トルトーナ・ナイトに出かける方は、帰る方法をあらかじめ計画しておいた方が良いと思います。

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(船曳 鴻紅)

2007年04月21日

ユーロ・ルーチェ~COSMITとの会談

照明見本市「ユーロ・ルーチェ」は「ユーロ・クッチーナ」と隔年でサローネ・デル・モビーレと併催されます。前回は旧見本市会場での開催だったので、新会場では初めてのユーロルーチェとなります。旧会場に比べて総面積27%アップの6ホールに、これまでユーロルーチェにはなかった照明分野を入れて、産業用の照明、また舞台用の照明システム、特殊照明も見ることができるようになりました。

ところで、今回は東海林弘康さんにユーロルーチェをプロの視点から解説していただく機会を得ました。ユーロルーチェは数年ぶりという東海林さんは、アメリカの照明見本市に比べカラーLEDメーカーの数が格段に少ないと言います。しかし派手な演出用ではなく、LEDは色をもった光の印象が強いのと集光性が強いのとで、少ない数で同じ効果を上げられるため(結果として省エネになることから)、ヨーロッパでも多く用いられ始めているのを実地に見せてもらいました。一時メンテの優位性から使われた光ファイバーはもうほとんど姿を消しています。

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東海林さんを撮らせてもらった写真のバックは、イタリアの世界的メーカーi Gussini(イ・グッツィーニ)社のスタンドです。ユーロルーチェのベスト・ポジションに1000㎡以上の展示を行っていました。イ・グッツィーニの成功は、建築界の需要をしっかりととらえて、他社のように商品企画を自社から一方的に行うのではなかった点にある、ということでした。

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今日のユーロルーチェ視察に参加したメンバーで、記念撮影。この3月、JETRO輸出促進部からハンガリーに転任されたばかりの和波さん、中小企業庁でJAPANブランドを担当している福本さんも参加してくださいました。JETROの前田課長、三上さんは連日のデザイン・プレミオ・アテンドから1日だけ解放されてのサローネ視察です。特に若い担当官は、できるだけ自分の目と足で情報を得て確かめることが大事だと思うので、もっと自由な時間をもたれた方が良いと思いました。

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COSMITとのアポイントは、来年以降の展示スペース確保の交渉のためです。ともかく新会場になって数割面積が増したのに、それ以上の出展希望が寄せられていて、とても隙間がないのが実状なのです。メッシーナ会長との会談は、小菅康正会長以下IDAFIJ関係の我々、経産省石黒憲彦審議官に、日用品室の梶川文博さん、デザイン室の森田さん、また東総領事も応援にかけつけてくださって、日本側総勢8名。日本側の気迫を感じていただきました。まず2月に一度会っている小菅会長からsozo_comm事業要旨をあらためて説明、続いて石黒審議官がいかに日本政府として家具を始めとする生活用品産業の支援に取り組むかを熱く語ってくださいました。メッシーナさんは最後に、ウエイティング・リストのトップに私達の事業をのせると約束してくださいましたが、11月に今年展示を行っている企業の次年度出展申込み期限がくるので、それまでは確たることは言えない、ぜひ待っていてほしいということでした。

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(船曳 鴻紅)

2007年04月22日

JAL帰国便で

21日21:40発成田行きのJAL418便は、日本のインテリア界関係者が乗り合わせる帰国便となりました。JDCA代表幹事の宮城壮太郎さん、前田茂樹JETRO市場開拓部輸出促進課課長、照明デザイナー面出薫さん、保科正アルフレックス社長、インテリアデザイナーの川上元美さん、杉本貴志さん、森田泰通さん、それにインターオフィスからジョルジュアルマーニに移られたばかりの妹尾博之さんも丁度一つ前の座席でした。

川上さんとラウンジでお話ができたので、今回のミラノでの発表のことなどうかがいました。市内では内田洋行の方ともご一緒でしたが、スーパーステュディオなどいかに多くの人が観てくれたとしても、企業としてはそこから売れる糸口がつかないと成功とは言えない。参加企業にとっては展示するだけではもはや意味がなく、今回の出展が成功と言えるかどうかは、これから具体的に成約がどれほど達成できるかだ、と強調されていました。今度のsozo_commの事業説明会にも来てくださるということでした。

ところで、このJAL418便は出発が1時間ほど遅れました。航空機を牽引する車が故障してそれをどかすのに時間がかかったということですが、中小企業庁の福本さんがミラノ入りするときも成田で給油系の故障で1時間遅れたために、約束を一つキャンセルすることに。ナショナル・フラッグとしてJALをできるだけ使おうとしているだけに、不安が生まれます。特に機内で利用者アンケートを頼まれてアンケート用紙の項目に目を落とすと、内容は機内サービスや旅行代理店の対応といった質問ばかり、イヤな気持になりました。

(船曳 鴻紅)

2007年04月26日

21_21 ~ SENSEWARE

今日は六本木ミッドタウンのタワー棟5階に移転したばかりの産業デザイン振興会を訪ねました。sozo_commの審査過程でGマークの選定商品については、書類審査の第1段階を免除するとしています。そのことを内藤廣審査委員長、ミスターGマークと呼ばれる青木史郎理事に報告するためでしたが、同時に、知人のTVディレクターを紹介させていただきました。

ディレクターは12チャンネルのワールド・ビジネス・サテライトを担当されている方なので、WBS20周年プロジェクトとして先々週放映されていた、「見聞!ニッポン力」について話が及びました。さて、世界に比していく、デザインにおける「ニッポン力」は何だろうということになりました。冷めて言えばどん欲な消費欲が日本の消費者にあるからだとか、結局欧米には本当のところ入り込めないのに片思いしているだけとか、少々自虐的な(?)意見も出たのですが、最後の内藤さんの見方にとても説得力がありました。

それは今ホットに語られているような「デザイン」は、欧米のような階級社会の産物であって、その基盤の上に作られてきたデザイン文脈をそのままなぞっているだけではないか、はたして欧米の枠組みにそこまで我々がのめりこんでいく意味があるのだろうか、ということでした。我々日本の製品競争力はどこにあったかというと、それは階級とは無縁なごく一般の人々に向けて、彼らが受け入れる製品を懸命に作ってきたからで、決してごく一部の階層に向けてではなかった。それが世界の市場から共感をもって受容された一番の理由だろう、今後も、日本はその線を守るべきだと思っている、という話です。私も全く同感しています。

やはりミッドタウンに安藤忠雄設計でできあがった、三宅一生さんの21_21の第1回企画展「チョコレート」がスタートしました。三宅さんの財団に関わって1年ほど前からこの企画について知っていたので、オープンが楽しみでした。それで、1月にドイツのケルンに家具見本市で行ったときに、市内にあるリンツ社のチョコレート博物館を訪ねています。そこで知ったのは、もともとヨーロッパでは、コーヒーは労働者の元気回復薬で、チョコレートは富裕階級の性的興奮剤として流行ったということ。日本社会も戦後60年でそこまで豊かになってきたということでしょうか・・・・

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続いて青山スパイラルで同日始まった「SENSEWARE」展に行きました。お台場で開催される繊維見本市「JAPAN CREATION」の主催で原研哉さんがディレクションを行っています。羨ましくなるぐらい制作費をふんだんに使った(使えた?)展覧会でしたが、3階入り口の原デザイン研究所+アトリエオモヤの「WATER LOGO」が特に目を惹きました。ミラノで見た原さんの「つくばい」と同じく超撥水性のファブリックを用いたトリッキーなロゴサインです。sozo_comm展示にもご協力いただけないかと、虫の良いことを考えました。

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(船曳 鴻紅)

2007年04月27日

アンビエンテ出展決定

27日はミラノ視察後に初めて開くステアリング・コミッティ。IDAFIJの小菅会長、杉本専務は総会に向けての理事会のために出席できませんでしたが、高田プロデューサーを始めとして実行部隊の実質的な戦略会議となりました。以下が決定されたことです。

1)名称、ロゴ、ロゴマークの最終確認
sozoは「創る」、commは「コミュニケーション」。
「モノ作り」を「モノ語り」することで、日本人の感性によるものづくりを世界に伝えます。
シンボルマークは "トビラを開く" :浅葉克己さんデザインです。
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2)海外見本市の決定
2008年2月8日~12日ドイツのフランクフルトで開催される「アンビエンテ」に出展することが確認されました。引き続き、4月の「サローネ・デル・モービレ」での開催も追求していきます。

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3)選定方法
書類審査の選定基準に反映させるため海外市場での聞き取り調査を行うことの検討と、選定委員の顔ぶれについて討議しました。今までこのようなデザインを切り口に商品選定する場合にはプロダクトデザイナーが中心になることが多かったのですが、このsozo_comm事業においては「海外市場に受容される」を共通基準とするために、流通関係者、海外市場関係者を中心に構成することを確認しました。

4)海外市場開拓
経産省の梶川さんからも、業界へのヒアリングを重ねて、何が重要かというと市場でのREPやエージェントをどう確保するか、育てるかだと分かっている、という話があって、それはステアリング・コミッティ全員に共有されている問題意識だと再確認されました。しかし限れた予算と期限の中で有効な結果を出していくには、早くもこの段階から活動を開始しなければなりません。どこまでが補助金の枠の中で、どこから自己投資で、といった線引きをフェアに行いながら、私達は動き始めています。

5)ホームページなど広報の方法について
いずれ商品選定されたら、カタログ制作、書籍出版に入るわけですが、その前段階でも、メディアやインターネットなどを利用した広報戦略を積極的に行っていきます。せっかくの海外市場開拓システムが構築されながら、それに応募する商品があまりなければ事業全体の失敗です。5月9日の事業説明会だけでなく、コンスタントにこのsozo_commについて周知を図っていく、というのが私の役割となりました。
このブログもその目的のためにスタートしましたが、いずれ他にも世界各地のコミッティ関係者から、ニューズレターが寄せられるはずです。今後をご期待下さい。

(船曳 鴻紅)